胃潰瘍と十二指腸潰瘍もピロリ菌の仕業?

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胃潰瘍と十二指腸潰瘍の特徴

まずは潰瘍という言葉の意味を知っておく必要があります。

『潰(かい)』は『くずれる』こと,『瘍(よう)』は『からだの傷やできもの』のことで,『潰瘍(かいよう)』は『からだの一部がくずれてできた傷』という意味です。

これらが胃に出来れば胃潰瘍であり、十二指腸にできたものは十二指腸潰瘍となります。

過去には十二指腸潰瘍は欧米などの先進国で多く見られたため、ホワイトカラー病とも呼ばれ、胃潰瘍は発展途上国に多く見られていたようですが、近年の研究では地域差は無くなってきており、ある種の差別的な見解は少なくなってきました。

胃潰瘍とピロリ菌

胃潰瘍の患者は40歳以上の人に多く、十二指腸潰瘍は10から20代の若年者に多く見られます。
また、十二指腸潰瘍の患者は過酸症であることが多くなっています。
逆に胃潰瘍の患者は、胃酸の分泌に関しては正常であるか、やや少なめの場合が多いようです。

かつては、胃潰瘍の原因も胃炎と同じように定かではありませんでした。

しかし、ピロリ菌の発見とその後の研究により、消化性潰瘍(胃潰瘍や十二指腸潰瘍の総称)である患者の90%近くの人はピロリ菌に感染していることがわかり、ピロリ菌を除菌することで再発が防止されることがわかりました。

ピロリ菌を除菌すると、胃粘膜の防御機能が回復し、胃酸により傷つけられていた胃の粘膜が丈夫なものに修復されていきます。

そのため、ピロリ菌を除菌したあとは薬に頼らなくても潰瘍の発生は十分に抑制されるのです。

日本でも消化性潰瘍の原因のうち、ピロリ菌由来のものは十二指腸潰瘍では95%、胃潰瘍では75%とも言われており、もはやピロリ菌に感染しているかどうかを診断することで、将来的な消化性潰瘍は予防できる時代となりました。

ピロリ菌由来以外の潰瘍

ピロリ菌以外が原因となる潰瘍のうち重要なものとして、非ステロイド性消炎鎮痛薬があります。

有名なものとしてアスピリンがあり、日本では慢性関節リウマチや感冒などの治療に使用されています。

アスピリンに代表される非ステロイド性消炎鎮痛剤を服用することで、胃の防御機能が阻害され、潰瘍が形成されてしまうことがあります。

リウマチ患者に対するある調査では、非ステロイド性消炎鎮痛剤を服用した患者の15%余りが胃潰瘍を、3%あまりが十二指腸潰瘍を発症していたといいます。

非ステロイド性消炎鎮痛剤に由来する潰瘍は、上腹部の痛みを伴わない場合が多く、自覚症状がないまま放置して胃出血を起こしたり、潰瘍そのものが治癒しにくい状態になってしまうこともあります。

ひどい場合は、胃や十二指腸に穴が空いてしまいます。

消化性潰瘍と自覚症状

消化性潰瘍の自覚症状のうち最も多く見られるのは上腹部の痛みです。

胃の粘膜はもともと痛みを感じることの少ない部分なので、潰瘍が進んでも胃そのものでは痛みを感じにくいのです。

潰瘍による痛みは、胃酸が潰瘍部に作用することでその部分がけいれん性に収縮するためであると言われています。

そのため、酸が直接潰瘍部に作用しやすい空腹時に痛みを強く感じ、逆に食事を摂ると胃酸が中和されるので痛みが弱くなります。

十二指腸潰瘍では空腹時の痛みを、特に夜間に上腹部の痛みを感じる傾向があり、胃潰瘍では食後30分から1時間後に痛みを感じることもしばしばです。

その他の自覚症状として、吐血や下血(血便)があります。

潰瘍から持続的な出血があると起こりますが、吐血は胃酸と血液が混じっているためコーヒー残渣様(黒っぽくドロドロした状態)であることが多く、下血はタール便と呼ばれる、海苔の佃煮のような黒っぽい便が見られます。

いずれの場合も、症状が見られた場合は早急に医師に診察してもらわなくてはなりません。

他には、吐き気や胸やけ、嘔吐なども見られる場合があります。
逆に食欲はあまり落ちないようです。

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